京町家のゲストハウスが廃業 訪日客の受け入れ再開前に資金尽き

築90年以上の京町家を改装し、外国人観光客らに人気だった京都市内のゲストハウスが5月末で姿を消す。新型コロナウイルスの感染拡大で客が激減し、コロナ関連融資などで資金をつないだが、「これ以上は、もう持たん」と苦渋の決断をした。政府は6月から訪日外国人観光客の受け入れを再開する方針だが、小規模な宿泊業者にとって3年目に入ったコロナ禍の傷痕はあまりにも大きかった。

長引くコロナ禍、固定費が重荷に

 廃業を決めたのは、世界遺産の二条城に近い「ゲストハウスまくや」(京都市上京区)。東京で観光庁を担当していた私は2020年4月、感染拡大で打撃を受けた宿泊施設の現場の声を聞こうと訪れた。予約キャンセルは100件超に上った。